満願寺へ御来山歓迎


第十七番出流山満願寺 (出流観音)真言宗智山派別格本山
   〒328-0206 栃木県栃木市出流町二八八 0282(31)1717
   本尊●千手観世音菩薩 開基●勝道上人 創立●天平神護元年(七六五) 住職●竹村智優
  ●詠歌●ふるさとを はるばるここに たちいづる わがゆくすえは いづくなるらん
 
  奥の院霊泉の神秘
 JRの栃木駅から出流行きバスで五十分、享保 二十年(一七三五)建立という雄大な構えの山門 前に達する。輪王寺守覚法親王御染筆の「出流 山」の扁額がかかげられている。途中、石灰の産 地銅山あたりから山峡に入った感を深くする。そ れもそのはず、千二百年前からこの標高三六〇メ ートルの出流山は勝道上人ご修行の場であり、の ちには山伏練行の所であるからだ。自然に造形さ れた岩窟の神秘をよりどころとして寺院が開かれ る例は、わが国には多い。満願寺の開創も、現在 奥の院と呼ばれている霊窟によっているぐ鐘乳石 のあらわす容態を十一面観音と崇めたのが始まり である。
『坂東霊場記』には「殊勝の体相凡舌に演べがた し、巡礼の輩これを拝見して、感涙袖を絞らざる 者なし」と記してある。当山の奥、剣ケ峰の中腹 に七つの霊窟(鐘乳洞)があり、特に観音霊窟は 奥の院と呼ばれる。その中に拝される「西方弥陀 の浄土に向かわせられる、一切衆生済度のため御 看経みうしろの御姿」といわれる十一面観世音の ご尊体は、高さ三メートル余の鐘乳石で、全く自 然に造形されたもので、それだけ信徒の随喜やま ざるところである。鐘乳石や石筍の成長は百年に わずか数ミリというから、開山当時とそのお姿は さはど変わっていないことになる。文字どおり千 古の霊窟である。
 うっそうと茂る木立ちを仰ぎながら奥の院に向 かうと、見事な舞台造りの礼堂に行き着く。お堂の 前には落下六メートルの大悲の滝、ここで行者 が垢離を行う。かつて修験者たちは二十一日間、 この滝に打たれなくては日光山への入峰は許され なかったという。この奥の院をはさんで大日と大 師の霊窟があり、これを巡るのを「出流山厄除け 三山めぐり」と呼んでいる。境内に「三山切手 所」という碑があるが、これは三つの籠り場に入 るのに「切手」を必要としたことを示している。

勝道上人のご出生
 この寺の開山勝道上人は、下野芳賀の人である。 父の国司であった若田氏高藤介という方の奥方が 子宝に恵まれなかったのを嘆かれ、この奥の院に 参籠して観音さまを祈り、授かったのが勝道上人 である。いわば上人は観音さまの申し子であられ た。この故事により、現在も「子授け安産」の観 音として参詣者が多い。
 上人はこの尊像に深く帰依され、二十歳にして、 この霊窟で三ヶ年修行、やがて男体山の登拝、そ して日光山を開創されたのである。のちに弘法大 師が勝道上人の遺跡を訪ねて来山され、この岩窟 への参詣だけでは難儀であろうと千手観音像を刻 み、安置され「千手院」と称えたのが、今の満願 寺である。
 応永年間(一三九四〜一四二八)足利義満が寄 進したお堂は焼失、のち明和元年(一七六四)に 住僧道ゴウによって再建されたのが八間四面の今の 大御堂。唐破風を有する向拝の壮靂さ、龍頭の尾 垂木など江戸時代の特色をみせている。三代将軍 家光公の特別な保護の余韻といえよう。
 七万坪に及ぶ境内には、かつては福性院はじめ 八ヵ院があり、真言宗智山派の談林であり、現在 も若い修行憎が多く学んでいる。近代建築による 立派な信徒会舘がある。

●主な法要行事  一月元旦〜七日新春大護摩供・初詣 り 旧元旦(旧暦の元旦の日)奥の院滝開き・大護摩 供 四月二十一日開山勝道上人御影供・大祭 十月第 二日曜日出流弁天ご縁日 毎月十七日本尊千手観世音 ご縁日
●付近の名所旧跡  大平山神社(桜の名所) 古峯神 社(日本三天狗の一つ)
●宿泊施設  出流山会館約二百人。一泊二食付。昼食 のみも可。料理は当山の精進料理。
●拝観料 無料。奥の院参拝者のみ大人三〇〇円、小 人二〇〇円。団体割引あり。 ●納経時間 午前八時〜午後五時

観音さまと護摩祈蒔の寺 出流山住職 竹村智優 

 出流山では、ご信者のみなさまのお願いごとが成就するように、毎日ご宝前で護摩祈頑が行わ れております。当山のご本尊千手観世音菩薩は、観音経の言葉どおり私たちの願いを即時にかな えて霊験ますますあらたかであります。
 護摩祈祷とは、私たちのさまざまな願いごとを観音さまの智慧の火によって浄めて成就させる 法要であります。私たちが生きている現実は、悟りも迷いも、間違いも入りまじつているわけで す。私たちの願いごとも、身勝手で迷いも間違いもまじっているかも知れません。
 それを全部洗いざらい観音さまにぶつけて一心に祈願すると、私たちの迷いや間違いが洗い浄 められて、自分自身の本当の願いが何であるか明確になり、その願いが実現できるという弘法大 師の秘法が護摩祈祷であります。
 もちろん、ご信者のみなさまにも、一緒に観音経を唱和していただけば、山深い本堂に響くお 経の声はみなさまの心に深くしみ入って、観音さまの妙智力はみなさまのものになるに違いあり ません。

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